準備期間と合否の関係

準備期間と合否の関係

最近、子育て支援系の雑誌でしばしば見かける記事「働く私にも出来た!準備期間わずか3ヶ月。働くママの小学校受験の成功例!」のような記事。
 もし、通勤電車の中で、こんな奇抜な見出しの吊り広告を見たら、きっとワーキングマザーのみなさんはとても興味を持たれることでしょうね。でも、やっぱり私は、これは人寄せパンダ的意味しか持たない・・・そういう気がしてなりません。雑誌は、購買部数を伸ばすため、奇をてらった表題をつけるものです。人はそれに飛びつき、思わずその雑誌を買ってしまう・・・でも、本来、子どもの将来を左右する(ことにも成りかねない)教育系雑誌では、こういうことは感心しませんね。

小学校受験の世界では・・・
* 私は、子どもの誕生と同時に小学校受験の準備を始めました。
* 私は、胎教の頃から小学校受験を考慮に入れ、子育てをしました!
というようなことを、大真面目に語られる方もいますよ。現に、秘密結社のような幼児教室では、出産前に紹介者を介してご挨拶に行き、生後数か月で子どもを連れて再びご挨拶・・・やっと2歳児からめでたく通塾!という世界だってあるのです。
 でも、そういう方はそういう方、自分は自分!というふうに、「今の自分達にできることは何か?」をしっかりと考え、ウワサや風評に流されないこと、です。今はインターネットの時代で、ついつい、不安な時には、まことしやかにかかれた掲示板での情報を鵜呑みにし、目を白黒させてしまうご両親も多いですが・・・

 ここ数年、大変な不景気と、公立のゆとり教育の終了で、一時のような「小学校受験ブーム」は去り、少し落ち着いてきたように思います。とは言え、一時のブームで裾野を広げた小学校受験では、もともとの「私立小学校志向」のご家庭だけではなく、「公立小学校回避」という家庭も多くなりました。こちらのタイプのご家庭の場合には、比較的「思い立って受験をする」という傾向にあります。
 さすがに、「生まれた時から準備をする」必要はないまでも、「急に思い立って、考査までのカウントダウンをしながら、ハラハラと準備をする」というのも、真っ当な姿勢だとは言えません。
 やはり、小学校受験に限らず、何か物事に真剣に取り組もうとする時には、まずはご自分達の考えをしっかりと整理し、十分に考え、進むべき方向を見据えて、決して右往左往せず、着実に歩を進めていく必要があります。
 「準備にかけた時間の長短」は、決して合否に大きな意味を持ってはいません。では、長い準備は何の意味もなかったのか?と言えば、それはNOですね。確かに、受験準備は子どもを成長させ、さまざまな力をつけてくれるでしょう。(ただ、正しい受験の準備をする、ということが条件であり、単なる訓練で疲労困憊する準備では、力もついてはいきません)
けれど、合否だけに的を絞って考えた場合、準備期間の長い人が合格し、短い人は不合格である、ということはありません。小学校受験の合否に関しては、もっともっと繊細なもので、子どもの「能力」だけを考査で判断しているわけではないからです。
 いずれにしても、あまりに受験準備にかける時間が短いと、子どもの受験準備云々ではなく、小学校受験というものをしっかりと理解することが難しいかもしれません。子どもが一日の大半を過ごす環境を判断する、という意味で、本来は、学校選びにも時間をかける必要はありますから、さすがに1か月や2か月、ということでは困ります。

しかし。
雑誌の見出しのように、たった3ヶ月の準備期間で合格をいただけたワーキングマザーのご家庭も、5年間準備して、合格をいただいた家庭も、『合格の秘訣』があるとすれば、それは「家庭と学校とのマッチング、家庭と学校の相性」ということでしょう。
 たとえば、どんなに準備期間に長い年月をかけて、自信満々で受験に臨まれたとしても、学校が目指すものと、そのご家庭が目指すものが違っていれば・・・そこに「合格」はあり得ません。

 いずれにせよ、小学校受験準備を始める、という事は、やはり、働くお母様方が時間をかけてやっと築き上げた「社会人である母」の生活リズムを、たとえ一時的とはいえ、少し崩さなくてはいけない、ということを意味します。「たかが小学校受験、されど小学校受験」です。子どもが幼いが故に、どんな環境で過ごすか?は、子どもの人格形成に大きな意味を持ちます。小学校とは、そういう教育環境なのですね。
ですから、やはりお母様自身に「真剣に小学校受験に臨む意識と姿勢」がなくては、良い方向にわが子をリードすることはできません。そういう意味では、お母様自身が、受験準備の期間は「ご自分の生活を中心にする」のではなく「受験生である子ども中心に考える」という生活に替えなければならないでしょう。

もちろん、受験生以外のわが子(受験生の兄弟、姉妹)を含めた、他のご家族の協力も不可決です。
 ワーキングマザーの限られた貴重な時間内での準備は、子どものためにも、そしてお母様ご自身のためにも、効率良く、確実でなければなりません。そのためにも、十分に受験を理解した上で、ご自分の生活を変えるに価値のある受験準備、やってよかった!と思える受験準備をしていってください。
 仕事は滞り、受験準備は納得のできないストレスのたまるもので、子どもはめそめそと泣き、夫は宇宙人を見るような醒めた目で見ている・・・そんな受験準備であったとしたら、きっと結果も芳しいものにはならない、と思います。
ワーキングマザーとしては、かなりがんばったけれど・・・でも、やってよかった!そう思える準備を、無理のない期間、やってみてください。

 

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