「ネット上の情報」に踊らされないこと

インターネット社会が生んだ悲劇と喜劇

今は、何をするにも「インターネットを利用する時代」になりました。そのインターネットも、ひと昔前までは家庭や職場でパソコンを立ち上げて見ていたものが、今ではすっかり主役はスマホ。こんなに小さな便利なツールによって、いつでもどこでも、立っていても、歩いていても(歩きスマホはいけません!)、情報が得られるのです。そんな時代だからこその悲劇、喜劇も生まれました。

受験産業に踊らされてはいけない

みなさまの中には「他人が何と言おうと気にしない!言わせておけばいい!我が子を育てているのは私達なのだから!」という方々もいらっしゃると思います。

でもね、「お受験」という言葉が生まれてから30年近く経過した今、別の意味で「白い目で見られる困ったご家庭」が増加しています。それは「受験産業に踊らされる家庭」「踊らされることに気づいていない家庭」です。

30年前はインターネットが普及していませんでした。当然、各校には学校のホームページなどあるわけもなく、説明会等々の予定を知るためには、各自で学校にお電話をして確かめるしかなかったのです。また、伝統校の中には説明会を実施しない、行事の公開もしない、という学校も少なくありませんでした。

要するに、そういう学校の言い分は、「そんなことをしなくても、十分に我が校に理解のある人だけウェルカム」という姿勢だったのでしょう。これが「高嶺の花」を思われる所以でもありました。

そして、2000年代に入り、急速にインターネットが普及し始めました。学校もホームページを持つようになり、受験を目指す家庭にとってはとても便利な時代がやってきたのですが、その反面、山ほどの情報が溢れ出しました。

各学校が情報元である「正しいこと」もありますが、情報元が明らかではない「単なる噂」や、中には不合格だった家庭からの「腹いせのウソ情報」も少なくないのです。何が真実で、何が噂で、何がウソなのか、残念ながら一つ一つを検証することは難しく、確かめる方法さえないのが現状です。

受験産業の食い物にされてはいけない

多くの家庭が小学校受験に向かう時代になり、受験準備のための「教室」が増えてきました。今では、全く異業種からの参入もある時代です。中学受験のように、完全に数値で表せるはっきりとした合否のバロメーターがある場合は楽ですが、受験生が幼い小学校受験では、合否の判断が何によるものか?が見えにくい、わかりにくい、というのが受験生側の言い分ですね。もちろん、実際には、各校には確固とした判断材料があるはずです。各校にはそれぞれ違った「建学の精神」があり、「目指す方向」があり、「教育の柱となる理念」がありますから。しかし、それが受験者側には明快には感じられないのが小学校受験です。

そういう事情から、受験者側は、自分達の通う「幼児教室の情報」に頼る部分が大きくなります。とは言え、たくさんの教室が増えた現在の状況は、すでに小学校受験は、教育分野でありながら「産業化された世界」になっていることを忘れてはいけません。産業ともなれば、そこに企業努力は不可欠です。生き残るため、大きな利益を生むため、産業は努力を重ね、知恵を絞ります。これは当然のことです。

だからこそ、受験者の家庭が、そういう「産業の食い物」になったり「産業に踊らされる」ようになってはいけない、そういう自覚と意識は必要です。それを忘れないことです。

自分では全くそのつもりはなかったのに、気づけば受験産業の食い物になり、すっかり踊らされていた…という人は多いです。定期預金を解約して、高額な授業料、特別授業、合宿、模擬テスト等々、中学受験も顔負けの準備に翻弄されるのは悲しいことです。