昭和の時代、働くママは少数派

今や「共働き」という言葉さえ、違和感を持つ時代になりました。それほど多くの家庭が、ダブルインカムの家庭となったのです。小学校受験では「保育園児は不利」と言われ続けるには、それなりの理由があるから。それを整理して考えていきましょう。

「建学の精神」と「時代の変化」の関係

働くママ達の中には、学校説明会から帰宅し「今日の学校は、口にこそ出さなかったけれど、働くママ達を歓迎していないわねえ・・・今は母親達だって働く時代になっているのに、なんて理解のない学校なのかしら!」とか、「何だか、今日の校長先生のお話は、すごく時代遅れも甚だしいって感じた!ワーキングマザーへの理解ゼロって感じよ。腹が立つわー!」などと、夫相手に怒り心頭で話される方々がおいでになります。
でもね、それは心得違い、というものです。
私立校には、建学の精神、というものがあります。この学校でどういう教育をし、どういう人間を育てたいのか?」という教育理念です。
どんなに時代が変化しても、それぞれの学校の基盤となる「創立時から脈々と受け継がれる教育理念」がある限り、時代の流れ、変化と共に、どんどん学校の在り方、考え方が変わっていく、ということはないのです。
もちろん、創立から100年を迎えるような伝統校の中にも、大きな変革をされている私立校もありますが、それはあくまでも「それぞれの学校の教育理念の許す範囲で」ということです。
時代の流れ、世の中の変化で、その「根本」を変えることはありません。

志望校選びがキーポイント

働くママ達、共働きの家庭で最も重要なのが「志望校選び」です。
子どもの「力」を伸ばすこと以上に、志望校選びが受験準備のカギを握っていると言っても過言ではないでしょう。
男子校、女子校、共学校、伝統校、新設校、一貫校、独立校、カトリック校、プロテスタント校、無宗教校・・・ということだけが、考慮の柱になってはいけません。
働くママ達の場合には、むしろ、毎日がお弁当なのか?給食なのか?保護者会はどの程度の頻度であるのか、保護者会は平日なのか、週末なのか?平日に保護者の参加必須行事はあるのか?アフタースクールはあるのか?ある場合には、夏休みなどの長期休暇はどうなるのか?等々、こういうことのほうが大きな意味を持つようになっていくでしょう。ひと月やふた月ならば少々の無理も何とか調整できるかもしれませんが、それが6年間となると、自分で自分の首を絞めることになってしまいます。

初めてのことでよくわからないから、というような理由で、お仕事の合間や昼休み、夜の就寝前、学校のホームページをネットサーフィンし、月謝や授業時間、行事等々をササっとエクセルにまとめて志望校を考えた、とか、すでに子どもを通わせているという友人や会社の同僚や上司の薦めで、好感が持てたので決めた、というようなことのないように。
幼児教室マナーズでは、この志望校を選んでいくことに、とても時間をかけ、相談をしながら進めています。

「百聞は一見に如かず」です

では、どのようにして志望校を考えていくか?選んでいくか?
その答えは「足を運ぶこと」と「五感を信じること」に尽きると思います。
これは、働くママ達の家庭だけに言えることではなく、すべての家庭にとって大事なこと、なのですね。
もちろん、最初は各学校のホームページをしっかりと見てみましょう。そして、おっ!ここは!と思った学校の説明会や公開行事に足を運んでみること。
HPを見た時には、とても魅力的に感じられたのに、実際に行ってみると「ちょっと違う」と感じることは少なくはありません。
このように、この時点で、かなり学校は絞られてくるはずです。

特に、公開行事のように「在校生の両親、家族」と同じ空間にいた時に、違和感を持ったとしたら…むー、この人達と私達夫婦は、かなり何かが違うように思う・・・何となく居心地が悪い・・・そういう感覚を持たれたとしたら、その学校とのフィット感はあまり良くない、ということです。
このように「五感で感じる」ことは、理屈ではなく、じつは意味のあること、なのです。
家を購入する時、実際に現地に行って見てみると、「駅から近い」「広さもちょうど良い」「価格もバッチリ」にも関わらず、しっくりといかない、ここではないなあと思う、と思うことがあるでしょう。
オンラインショップで気に入り、購入した商品が届き、手に取った時、誇大広告でも粗悪品でもなかったけれど、好きにはなれなかった・・・こういうことも、感覚としては同じ、です。
まどか先生とご家庭との距離感はとても近い。ですから、こういう「五感での違和感」でさえ、共有することができるのです。志望校選びでは、こういうことは、本当に大切になります。

「主導権は学校にある」ことを忘れずに

別項目にも書いていますが、決して保育園児は不利ではありません(保育園児は不利じゃない、を参照)。しかし、学校の理念、方針、柔らかく言えば「好み」として、自校の校風を鑑み、「出来るならば、専業主婦の家庭の子ども達を好む」という学校も「0」ではないでしょう。そして、それが時代遅れでも、時代錯誤でも、奇妙なわけでもありません。私立校である限り、どういう旗印を掲げるのも自由であり、むしろ、だからこそ「私立校」なのです。

私立校に大切な我が子を通わせる感覚、とは、どういうものでしょうか?
「毎月、月謝や交通費等々、いろいろな出費をしてまで、わざわざあなたの学校に通ってあげるのです」と考えたとしたら… 大ヤケドをします。ついついそう思いがち、ですね。しかし、実際には、教育費が無償に近い、楽に通える近所の公立校への進学を敢えて辞退し、学校側から選んでいただいた家庭として、ありがたく通わせていただく・・・それが私立小学校です。
私立小学校の世界は、じつに深いもの。こういういろいろな方向からのお話も、幼児教室マナーズでは、いつでもお話ができる体制です。